2003/03/02(Sun)
<まずは「姿勢」を>
 予想通り、外にいるだけで幸せになりそうな晴天でした。

 ちびっこソフトボールがはじまりました。会場に選手が約3700人、その親らも含めると1万人以上が集まります。いつもながら、これだけの人が集まってトラブルが起きないものか冷や冷やします。特に車の事故は要注意です。そうならないために主管の実行委員会などが何回も会合を重ねて注意を払っています。子供が関わるイベントで無用な事故が起こったら悲しいです。僕が関わって5年目になりますが、そういったことがこれまで全くないことに、関係者の労苦に頭が下がります。毎年、規模が大きくて頭を悩ますイベントですが、やっぱり意義はある大会なんですね。

 僕はデスク業務に集中するため、試合を見ないで本社に帰りました。選手の入場行進を見ていて感じたことがひとつ。歩く姿勢にどうもはつらつさを感じないのです。背の高い子で猫背な子供が多いし、歩きながら下をうつむいている子があまりにも目につきます。いつもなら記事の中に「正々堂々の入場行進だった」と書くのですが、とても正々堂々という言葉が当てはまりそうにありません。
 各チームの資料などを見ていると、チーム設立の理由に「礼儀作法を身につけるため」なんて書いてあることが多いですが、礼儀・作法の前にまず正しい姿勢で立つことを教えた方がいいと思います。ある高校野球部の監督は、新入部員に何を教えるかというと「まっすぐ立つこと」を教えるのだそうです。
 簡単なようで、これが実は一番体を動かす基本になります。そういえば以前、女子ロード大会でジョギング講座をした時に、ある実業団の長距離の監督も正しい姿勢で歩くことを教えていました。姿勢の正しくない選手は、いくらいろんな技術を教えても正しく吸収することができません。そう考えるとスポーツ選手がまずやるべきことは、真っ直ぐ正しく立って歩くことであり、それは小学生のうちから徹底して教えるべきでしょう。



2003/03/01(Sat)
<方向性>
 きょうで5週間続けて土曜日が雨です。どうやら明日は晴れらしいので、今回も土曜日・雨、日曜日・晴れのパターンになりそうです。

 朝、県のサッカー協会関係者の方と話をする機会がありました。内容はちょっと明かせませんが、スポネットにせよ、大隅FCにせよ、実現は難しい面がありそうです。
 でも、きょう話を聞きながら「スポーツ維新」の最終的な方向性が見つかりました。実のところ、最近この原稿の進みがはかどらなかったのは連載の締めくくりをどのようなかたちにもっていくかということでした。いろいろと新しいスポーツのかたちを模索して活動している人の取り組みを紹介する。これは簡単に言えば、それぞれのパイオニアに取材して、内容を補足して文章化すればとりあえずかたちにはなります。
 しかし、その取り組みをただ取り上げるだけでは、あえてここに「スポーツ維新の時代」と銘打った意味がありません。できればその結論に、「こういうあり方がベスト、ベターなのでは」という解答を出してあげられればいうことはないのですが、そもそもそんなことができるなら、僕はスポーツマネジメント会社を立ち上げて大もうけできますよ(笑)。でも何らかの結論は出したいところですが、なかなかそれが見えてこなかったのです。
 でも、きょう話を聞いていてひとつだけ見えてきたことがありました。今までいろいろなスポーツの問題点を取材して、それぞれの取り組みには挫折に裏打ちされた情熱という共通項を見つけました。「もうあんな思いはしたくない」という強烈な動機づけが、だれもやったことのない困難な道に挑ませています。ここまではまぁ納得のいくところです。
 最大のネックは「お金」というシビアな問題です。これは僕の中で新しい発見でしたが、今まで「企業に捨てられるかわいそうなスポーツ選手」という視点をぬぐいされませんでした。しかし、捨てられてしまうスポーツの側にも問題はあるのです。
 自分がこんな苦しい思いをしているのだから、支援してくれといって支援してくれるほど現実の世界は甘くないでしょう。競技は違えど「地域密着」という理念は、もはや全てに当てはまる共通項です。でもその「地域密着」をどう実現するのか? それを提供するのはあくまでもスポーツの側にあるのです。

 僕はSCCの会員の1人として毎月3000円の会費を払って活動しています。今の僕になくてはならないライフスタイルのひとつとして定着しました。ここで汗をかくこと、自分なりに自分の能力を高めること、そしてここで知り合えた数多くの仲間の存在、間違いなくここで活動していなかったら、得られなかった財産をSCCは僕にもたらしてくれました。ここに会員として名前を連ねる約150名にとっても大なり小なりそんな思いがあるから、SCCを必要としているわけです。それはSCCがそういった人たちのニーズに応えようと試行錯誤しながら様々なサービスを提供した成果なのです。
 もしSCCが「短距離ランナー・太田敬介を支援する会」だったら、これほど多くの人たちの共感を得ることはできなかったでしょう。太田さんは自分のこれまで培った短距離ランナーとしてのノウハウを地域に還元しようと理念を掲げ、それが具体的な行動になりました。そう。「地域密着」を理念とするなら、じゃそれを具体的なかたちで提示するのはひとえにスポーツの側の責任なのです。そうやって提示されたものが、地域の人々にとって受け入れられるならば、その活動は軌道に乗るでしょう。そういうこともしないで、理念ばかり高いけど地域の人々が益とする活動はさっぱりならば淘汰されていくのが必然の流れです。「お金をかけても、この活動が自分に必要だ」という思いをどれだけの人に与えられるのか、それぞれの活動を見るひとつのバロメーターになりそうです。
 まだ取材も完全ではありませんが、とりあえずはこの方向でまとめてみようかと思います。どんな結論になるかは「企業秘密」です(笑)。



2003/02/28(Fri)
<舌の根も乾かぬうちに>
 「スポーツ維新」の企画がなかなかはかどりません。
 ソフトボールやら何やら細かい雑務に追われて集中して文章が書けないです。困ったもんだ。そのくせ、新しい企画のネタだけはバンバン思いつく。女の扱いと同じく(?)浮気ものです!!

 きょう1週間ぶりにSCCの練習に顔を出しました。この1週間は精神的にストレスのたまることが多くて、体を動かせない日が続きました。1週間運動しないと本当にイライラします。やっぱり汗を流すのは気持ちがいいです。
 練習のあとで4月にある「50メートルダッシュ王座選手権」のチラシをもらいました。そこで、また企画を思いついたわけです。
 名付けて「人は1カ月でどれだけ速くなれるのか?」(仮題)。要するに菜の花マラソン挑戦講座日記の連載の短距離バージョンをやろうというのです。3月で1回50Mのタイムを計り、1カ月間短距離ブロックで練習したらどれだけ伸びるのか? 短距離だけにに長期連載(?)をするわけにはいきませんが、大会のあとで、上中下の3回連載ぐらいしてみたら面白いかなと思ったのです。
 でも4月6日は予定では高校野球の準々決勝の日。これを外すわけにもいかないし、迷っています。一応組み合わせが決まった段階で結論だそうかと思います。それよりもまず「スポーツ維新」だっちゅうの!!!



2003/02/27(Thu)
<チビっ子球児へのメッセージ>
 相変わらずはかどらない仕事ぶりですが、今朝はちょっと趣向をこらした記事を書いてみました。
 日曜日から始まる「ちびっこソフト」の事前特集の記事です。昨年と同じく見開きを使っての特集なので、それなりに原稿量が必要です。組み合わせ表、歴代の優勝チーム、写真などはすぐにそろうのですが、問題は「あす開幕」の本文ともう一本です。「あす開幕」の展望などは事情に詳しい人に聞いて、なるたけ多くのチームに希望を持たせるような書き方に気を付けていれば、あとは前回の原稿と基本的に大きく変わることはありませんので、そこまでありません。思ったより早くすみました。
 一番の難題はもう一本のほうです。前回は、別の記者が大会会長に話を聞いて大会の歴史や意義みたいなものを書いていました。これを丸写すわけにもいかないので、どうせ書くなら何かこれから大会に出る人たちの元気になるような文章にしようと思いました。そこで、親しい高校野球の監督さんに電話して「チビっ子球児へのメッセージ」を聞いてまとめてみました。
 最終的に出来あがった文章は、なんだかきのうこの日記で書いたことを否定するような内容ですが、裏の裏にはきのう書いたこの大会への問題点を踏まえた上で、僕なりのメッセージを折り込んだつもりです。確かにいろいろな問題はあるのですが、かといってあと数日で始まる大会をなくすわけにもいきません。実際にこの大会から巣立っていった野球人は多いのです。ならばせめて、この大会を未来へつなげる財産にしてもらうために今の僕にできることを考えたら、ああいう文章(掲載記事参照)になったのでした。
 ここ数年、この大会に関する文章を書きながらそれなりにそういったメッセージを伝えてきたのですが、ここまで踏み込んで書いたのは初めてです。とても新聞記事らしくないのですが、僕は結構気に入っています。



2003/02/26(Wed)
<仕事はかどらず>
 仕事がたまっています。
 当面は県のちびっこソフトボール大会の準備とスポーツ維新の時代の2本が大きな柱ですが、遅々として作業が進みません。ソフトボールは肝属地区であるので余計に億劫です。移動に時間がかかることを考えると気が滅入ります。
 きょうは会社である高校野球の監督とちびっこソフトボールの功罪について話し合いました。よその県のことは分からないのですが、鹿児島の野球の母体はこのちびっこソフトボールです。毎年200を超える団に4000人近い選手が出場しています。今、県内の高校で野球をやっている選手の多くがこのソフトボールの出身者と考えていいでしょう。鹿児島の底辺を支えているわけです。
 大規模な大会を開くのはいいのですが、反面、勝負が過熱化する弊害もあります。その監督に言わせると、野手なら1日何試合やってもいいのですが、投手の肩肘は100球が限度といいます。しかし今度の大会でも勝ち進むチームは1日3試合やるわけですから1人の投手で軽く100球は超えてしまいます。小学生で投げすぎて早くも肩肘が使いものにならず中学生以降伸びない子供もいるとか。このほか少年野球のスカウティングの問題や、子供の変なプライドの話など興味深い指摘がありました。
 その全てが正しいか分かりませんが一面の事実ではあると思います。全てのスポーツに共通することですが、日本のスポーツは全て各世代で結果を残すことが次に進むステップのように考えられているところがあって、勝ちにこだわるあまり子供に無理を強いるケースは多いように思います。サッカーの大隅FCの監督さんが言っているように、長期的な視野で子供を育てていくという視点がまだまだ未熟なようです。



2003/02/25(Tue)
<NPOに思う>
 きのうは当直明けにも関わらず、久々に力の入った原稿を書いてみました。それだけ「スポネット鹿児島」や「ヴォルカ鹿児島」のやろうとすることに僕自身の夢をかけてみたい気がします。
 掲示板に今回のNPOに関する書きこみがありましたが、やはりというべきか「ヴォルカ鹿児島がNPOを立ち上げる」と誤解されているようです。確かにスポネットがあってヴォルカがあってと分かりにくいですよね。
 現在のヴォルカは任意団体ですから、これからチームを強化していこうと思ったら、スポンサーを集めたり、広報活動をやったりと、チームのマネジメント業務が非常に煩雑になってきます。JFLに昇格する段階では株式会社にしなければいけません。今までヴォルカではGMがそれをやっていましたが、個人の能力には限界があります。かといって、任意団体のヴォルカでは独力でそういったことをきちんとやれる人を雇える財力はありません。
 そこでスポネットというNPO法人が間に入ってそういったマネジメント業務を請け負って、ヴォルカの活動を支援しようというものです。
 それがなぜNPO法人でなければならないのか? きのうの会見でも僕が突っ込んだところですが、答えは「広く県民の支援を募りたいため」というあいまいなものでした。確かにNPO法人を取得すれば、公に認められた団体になり、税制上の優遇措置や自治体や企業などの助成金を受けやすくなるメリットはあります。反面、県が認可する団体ですから、承認されるまで細かい定款だの、規約だの難しい書類をたくさん提出しなければいけないし、必ず活動報告や会計報告をしなければいけない義務も生じてきます。
 僕が危ぐするのは最近NPO法人という言葉が一人歩きして、何でもかんでもNPO法人すればいいんだみたいな流れがあることです。今回のスポネットがそうだというわけではありませんが、現実にはそういう団体がたくさんあると聞いています。
 NPO=非営利団体という訳語からNPOの活動がかなり誤解を受けている面も見逃せません。僕も所属しているSCCでもそういった誤解に苦労している面があるそうです。イベントを開いてお金を徴収しようとしたら、「非営利団体なのになぜお金を取るんだ!」というクレームを受けたことがあるといいます。NPO法人が収益事業すること自体は決してNPO法に抵触するものではなく、ただそこで獲得した収益を外部流出せず、その団体の理念とする活動目的の推進のために使わなければいけないということだそうです(※このあたりの解釈は、僕がSCCの太田さんから聞いたことを自分なりにまとめただけなので、違うという指摘があったらお願いします)。
 今回のスポネットというNPOは、ヴォルカのためにスポンサー獲得業務をにないます。そういったことはどうみても営利事業ですからNPO法人にそういうことができるのか、ふと疑問に思いました。
 そのあたりをGMに確認しました。ヴォルカのためにスポンサーを獲得することをNPO法人が請け負うのは特に支障はないとのこと。これが、仮にヴォルカと企業との間にスポンサー契約が成立して、ヴォルカに払われるスポンサー料の一部を中間マージンとしてスポネットが受け取れば、スポネットは営利活動をすることになってしまいますから、これはいけません。そういった手数料を受け取らず、無報酬でそういった代理業務を担う。そうすることで、地域を代表するクラブチームの支援になり、ひいてはスポーツ文化を定着させるというスポネットの本来の目的にも合致するというわけです。

 どうも話がややこしくなってしまいましたが、僕はNPO法人でやることが本当にいいのか、まだ?に思っています。先に述べたように世間一般ではNPO=非営利という印象で、お金を集めるということにマイナスに作用する面もあると思うからです。しかし、サッカーチームを強くしたりスポーツ文化を定着させるためには大きなお金を必要とします。決してNPOで間違っているというつもりはありません。そのへんの誤解を解いてまわるのもこれからスポネットやヴォルカに課せられた使命でしょう。



2003/02/24(Mon)
<荒海に漕ぎ出す>
 「スポーツ維新の時代」プロローグの完結編といったところでしょうか。県サッカー協会と地元経済界の有志がNPO法人「SPONET鹿児島」(スポネット)を立ち上げると記者会見しました。
 簡単に言えば、現在九州リーグで戦っているヴォルカ鹿児島の支援をする団体と考えていいでしょう。今後ヴォルカがJFL、J2、J1と勝ち進んでいくためには、チームの戦力補強、資金繰りといったマネージメント業務が必要になってきます。現在任意団体であるヴォルカが独力でそういった組織を充実させていくのは難しいですから、協会を中心にそういった運営業務を請け負うNPO法人を立ち上げようということです。
 そしてヴォルカには、鹿実出身のJリーガー・前田浩二氏が選手兼監督として帰ってきました。「鹿児島にJを目指せるチームを作りたい」という夢を実現するため、選手としてのオファーを断ってまで、ヴォルカとスポネットにかけると言っています。県協会の理事長も「鹿児島のサッカーを前田君にかける」といっているほど全幅の信頼を置いています。

 さて、記者会見で今回のプロジェクトに関わる人たちの話を聞いた僕の感想ですが「期待半分不安半分」といったところでしょうか。理事長や前田さんの熱い情熱はひしひしと感じることができました。この熱意は大いに期待できると思います。余談ですが会見の冒頭で前田さんが「僕は男・前田と呼ばれていますが、決してホモではありません」と言ったのは爆笑でした。
 ただ、どうしても理念が先行しすぎているような気がします。僕は会見で、壇上に上がった人たちが「スポーツ文化」についてどのような定義付けをしているのか、ひとつのバロメーターにしようと思って聞いてみました。
 ある人は「健全な青少年育成のためのもの」といい「地域の人たちが気軽に楽しめて参加できるもの」といった人もいます。まぁ、正解を求めた質問ではないのですが、だいたい予想した範囲内の答えでした。

 できれば、そんな崇高な理想ではなく「スポーツはしょせん遊びです」というぐらいおおらかな考えを持って欲しかったです。これは決してスポーツを卑下していっているのではなく、「遊び」だからこそ、人間性を豊かにさせる力があり夢を託せるものだと思うのです。
 これが実現できるかどうか、現実的に考えれば継続的にお金を供給できるかということだと思います。この構想が実を結び、鹿児島にJ1のチームができるまで最低でも10年ほどかかるでしょう。きょうスポネットを立ち上げるといった人たちは、興行的に大きな収益が見込めるチームになるまで、出血覚悟で挑むつもりがなければ遠からず挫折します。そうならないためには「教育」とか「文化」とか大上段に構えるよりも、スポーツの本質は「遊び」と理解し、「遊びのためにお金をつぎ込む」覚悟を持った人を増やしていくほうがいいような気がします。
 音楽を聴くCDを買うためにお金を使う。ゴルフのためにお金を使う。より美味しいものを食べるためにお金を使う。これらは本質的に人間の生存には必要なものではないけど、それがあることで人間は豊かな人間性を手にすることできます。音楽や食べ物にお金をつぎ込むことはあっても「スポーツにお金をつぎ込むなんて」というのが今の現状です。だから企業は運動部をなくしていきます。究極的には「自分が応援する地域のスポーツチームのためにお金を使う」ということに、何の抵抗もなくなる時代がすなわち「文化としてのスポーツ」が定着した社会だと、僕は思っています。

 会見の冒頭で理事長が「荒海に漕ぎ出す小船のようだ」と表現しました。言い得て妙だと思います。この船がどんな荒波にも負けない大船になることを願っています。